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日本一詳しく、レモンの防カビ剤の成分と危険性についての正確な情報と真実をお伝えします!
レモンは、安心なものを選びたい
masaです。(^^)
ウチでは、毎日レモンを使います。
生のレモンを絞って、ホットハニーレモンにしたり、ドレッシングにかけたり、生姜レモンにしたり。それとは別に、レモンパスタ、レモンマーマレードなど、レモンの皮を丸々使うことも少なくありません。
ウチのレモン消費量は、きっと地域ナンバー1でしょう。(笑)
そこで心配になるのが、安全性。
スーパーなどレモンの売り場で「OPP、TBZ、イマザリル使用」などの表示がされているのを見かけませんか?
実はこれらは、日本では食品添加物とされていますが、全て、日本で使用禁止となっている農薬の成分なんです。レモンやオレンジなどの柑橘系果実やバナナなど、輸入されるフルーツに使用されてます。
輸入レモンの防カビ剤使用率は、約90%
さて、レモンというと、日本に流通する海外産レモンの割合は、なんと国内全流通量の約90%を占めます。スーパーなどで「防カビ剤」「防ばい剤」という成分表記がされているもの、あれは全て海外産の輸入レモンです。
防カビ剤と防ばい剤は全く同じ意味を表しますが、ここからは防カビ剤で統一して呼んでいきます。
輸入レモンは、ポストハーベスト農薬を言われる防カビ剤が輸出前に使用されています。このポストハーベスト農薬の成分は毒性が強く、有害なことをご存知でしょうか?!
輸入レモンに使われているポストハーベスト農薬
「防カビ剤とは?」の記事でも書いてますが、輸入するレモンは、日本までの長期間におよぶ運搬、貯蔵中におけるカビの発生を防ぐために「収穫後に農薬を使用」しています。これをポストハーベスト農薬と言います。
「農産物に栽培中に使用するものよりも濃度が強い薬剤」を、農産物に直接散布したり、浸けたりしている分、残留する農薬(食品添加物)は、どうしても多くなります。
それらポストハーベスト農薬として使われている、防カビ剤の成分や毒性などを、ひとつずつご紹介していきたいと思います。
例えば、毒性が強いとされる防カビ剤「イマザリル」を妊婦さんが長期間摂取すると、生まれてきた赤ちゃんの体重が増えにくいという研究報告があります。
実際の検査結果から分かる危険性
ここからは、食品の残留農薬検査結果報告で毎年信頼できるデータを発表している、東京都健康安全研究センターの「輸入農産物中の残留農薬実態調査(果実類)平成26年度版」より輸入レモンの実際の検査結果を見ていきましょう。
こういった年報とか文献とかって一見、小難しくて、とっつきにくい感じがしますが、じっくり読むと、実に興味深い内容が書かれていたりするので、とても勉強になります。(^^)
平成26年4月~平成27年3月に都内に流通していた輸入レモンを検体(アメリカ産、チリ産、計10サンプル)として、厚生労働省通知試験法・農産物中残留農薬の迅速試験等を用いて分析されています。
データを見てみると、「whole」「flesh」とありますが、それぞれ「皮を含めた果実全体=全果」と「果肉」と言う意味です。分けて測定しています。
通常、防カビ剤は果実表面に付着しているわけですが、種類によっては、果肉まで浸透するとされています。
日本の食品衛生法の残留基準の検査で指定されている検査部位は、全果だけなのですが、東京都健康安全研究センターでは、皮を含む全果だけではなく、果肉部分の残留量も検査してくれてるんです。
僕ら消費者にとっては、とてもありがたいことですね!
日本で使用が許可されている防カビ剤
現在、日本において防カビ剤として使用が認可されているものは以下の8種類です。
- オルトフェニルフェノール(通称:OPP)
- オルトフェニルフェノール・ナトリウム(通称:OPP-Na)
- イマザリル(通称:IMZ)
- チアベンダゾール(通称:TBZ)
- ジフェニル(通称:DP)
- フルジオキソニル(通称:Fl)
- アゾキシストロビン(通称:AZ)
- ピリメタニル(通称:PY)
従来、使用を認めていた防カビ剤は5種類でしたが(オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、イマザリル、チアベンダゾール、ジフェニル)、それに加え近年、3種類が追加されました。(フルジオキソニル、アゾキシストロビン、ピリメタニル)
これら食品添加物とされる防カビ剤は、変異原性、染色体異常、肝臓、腎臓障害、遺伝子損傷性など有毒性が分かっています。
それゆえ、通常、食品添加物表示は容器包装されたものにだけ義務付けられているのですが、これらを使用した柑橘類とバナナには、バラ売りの場合にも表示が必要と特別に規定されている訳なんですね。。
今回の輸入レモンで検出された防カビ剤
今回の輸入レモンの検査結果では、実に4種類もの防カビ剤が検出されています。
- イマザリル
- チアベンダゾール
- フルジオキソニル
- アゾキシストロビン
ちなみに、検出されているものの内、クロルピリホスとイミダクロプリドは殺虫剤となります。
特筆すべきは、全てのチリ産レモンから、イマザリルとチアベンダゾールとフルジオキソニルの3種類が、また、全てのアメリカ産レモンからチアベンダゾールとフルジオキソニルの2種類が検出されていることです。
果肉からも高確率でイマザリルが検出!
イマザリルに至っては、皮のみならず、果肉からも検出されているのがデータから見て取れます!
- チリ産レモン 全果:100% 果肉:100%
- アメリカ産レモン 全果:83% 果肉:67%
防カビ剤成分と毒性
イマザリル
イマザリルとは
防カビ剤として毒性の強い農薬「イマザリル」。殺菌・殺カビ効果があります。
ちなみに、イマザリルは危険性が高いため、日本での農薬使用は禁止されており、農薬登録されていません。それにもかかわらず、日本では食品添加剤として扱われています。
イマザリルは、イミダゾール系防カビ剤のひとつで、IUPAC命名による化合物名は「エニルコナゾール」。イマザリルという名前は、ベルギーの製薬会社であるヤンセンファーマ社の商品名として使われています。
余談ですが、イマザリルについては大学院で化学を専攻していた後輩君に色々と教えてもらいました。僕自身、化合物の意味は知っていましたが、アイユーパック命名法という言葉は初めて聞きました。
イマザリルの毒性
イマザリルには急性毒性があり、致死量は僅か20g。イマザリルに含まれる不純物も曲者で、肝臓がんや甲状腺腫瘍になる危険性があるとされています。
マウスに、イマザリルを0.012、0.024、0.048%含む餌を与えて育てたところ、そのマウスから生まれた子供に、授乳初期の体重増加抑制と神経行動毒性が認められたという研究結果もあります。
実は、食品添加物として使用を認めておきながら、厚生労働省の職場の安全サイトによると、イマザリルの危険有害性情報が書かれています。(汗)
※上記は厚生労働省の職場の安全サイト・イマザリルの危険有害性情報を元に当サイトが作成。
危険有害性情報 | 飲み込むと有害 | ||
---|---|---|---|
吸入すると有害 | |||
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い | |||
長期又は反復ばく露による肝臓の障害のおそれ |
そんな危険で有害と分かってるもの、食品添加物としちゃいかんでしょ。。。(-へ-;)
チアベンダゾール
チアベンダゾールとは
チアベンダゾール(TBZ)は、アメリカのメルク社が開発した、殺菌剤・防カビ剤。柑橘類の防腐処理剤として用いられています。
チアベンダゾールの毒性
チアベンダゾールの致死量も、イマザリルと同様、僅か20~30g。
妊娠中の人が摂取すると、胎内の赤ちゃんに奇形が起こる「催奇形性」の危険性があります。
また、動物実験でも数々の毒性を示す研究事例が報告されています。
- ポーランドでは、数々の毒性を示すデータが出ています。ヤギとヒツジに体重1kg当たり0.4g経口投与したところ、その半数が死亡。。
- インドの研究では、カルタベンダゾールを妊娠したラットとウサギに経口投与したところ、胎児の死亡率が上昇。
- 東京都立衛生研究所では、マウスに対して体重1kg当たり0.7~2.4gを毎日経口投与した結果、おなかの子供に外表奇形と骨格異常(口蓋裂、脊椎癒着)が現れた。
- 妊娠ラットに体重1kg当たり1gを1回経口投与した実験でも、胎児に手足と尾の奇形が見られた。
- 妊娠動物(ウサギ・ハムスター・ラット)に対するへの投与で、子供に脳ヘルニア、水頭症、助骨奇形などを確認。
チアベンダゾールもイマザリルと並んで、食品添加物と呼ぶのが、はばかれる様な危険な農薬ですね。
フルジオキソニル
フルジオキソニルとは
フルジオキソニルは、スイスのチバガイギー社(現在シンジェンタ社)が開発したフェニルピロール系の非浸透移行性殺菌剤です。
防カビ目的で使われます。
日本では2011年に、食品添加物に指定されたばかりです。
先にも書きましたが、フルジオキソニルは新しい化学物質なので、研究歴がまだ浅く、使用年数・経験・データが少ないため、はっきりとした安全性や有害性は示されていないそうです。(怖い。。。)
フルジオキソニルの毒性
眼刺激性、皮膚刺激性があります。また、変異原性がある可能性も示されています。
アゾキシストロビン
アゾキシストロビンとは
アゾキシストロビンは、イギリスのゼネカ社によって開発された殺菌剤で、病原菌細胞の呼吸を阻害する作用があります。
日本では2013年に、食品添加物に指定されたばかりです。
つい最近ですね。フルジオキソニルよりも新しいです。
アゾキシストロビンの毒性
アゾキシストロビンMSDS(化学物質安全データシート)を見てみると、これまたイマザリル同様に危険有害性情報が書かれています。(汗)
危険有害性情報 | 吸入すると有毒 |
---|
おいおい・・・吸入すると有毒って。(汗)
これまた食品添加物に認定しちゃダメでしょ~!!
防カビ剤と食品添加物の行く末
フルジオキソニルの登場は、「耐性菌によってこれまでの殺菌剤が効かなくなったため」だそうです。
耐生菌発生といたちごっこで、より強力な殺菌剤に頼るという悪循環に陥っていますので、今後さらなる防カビ剤が登場するかも知れませんね。
僕は日本における、防カビ剤と食品添加物の行く末を危惧しています。当サイト・マイティでは、新しい情報があり次第、随時更新していきたいと思います!
結論:このような、安心のレモンを使おう!
今回、調べれば調べるほど、防カビ剤が、ふんだんに使われた輸入レモンの驚くような実態を知ることになりました。
無農薬レモン
僕がオススメなのは、輸入レモンのように防カビ剤が使われておらず、他の農薬や化学肥料、除草剤が使われずに育てられている、無農薬レモンです。(^^)
防カビ剤 不使用レモン
時季やタイミングなどにより、無農薬レモンが手に入らない場合は、出来る限り、防カビ剤不使用のレモンを使うことをオススメします。
コメント失礼致します。
防カビ剤の使用はアメリカ側が自発的に行っているのでしょうか、それとも輸出先の日本側の要望により行っているのでしょうか?
スギヤマさん、コメントありがとうございます。(^^)
アメリカから輸入されるもの中にも防カビ剤を使用していない柑橘類もございます。(その代わり価格が高いです。)
そういったところからもお分かり頂けるように、アメリカ側が自発的に行っているものではなく、輸出入業者間で取り決めているということですね!